加治/数値計算の基礎/4章
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開始行:
[[加治/2010夏休み]]
&size(30){関数の近似};
#contents
*多項式補間(ラグランジュ補間) [#x558e42b]
-いくつかの座標を与えられ、それが3つなら2次式の係数、4点なら3次式の係数というように、多項式を用いて補間する方法。
-多項式補間では、$n+1$点が与えられた場合に、$n$次式を求めることになる。
**ラグランジュの補間多項式 [#gd2276ea]
***例 [#t5fa3748]
-3点$(x_1,y_1),(x_2,y_2),(x_3,y_3)$を通る2次式を求めることを考える。
+$x_1,x_2,x_3$で0になる3次式
#tex(L(x)=(x-x_1)(x-x_2)(x-x_3));
を考える。
+$l_1(x)$として、$L(x)$から$x-x_1$を除いた2次式が分子で、その分子の$x$に$x_1$を代入した値を分母に持つ
#tex(l_1(x)=\frac{(x-x_2)(x-x_3)}{(x_1-x_2)(x_1-x_3)});
という式を用いる。
+また、$l_2$として、分子に$L(x)$から$x-x_2$を除いた式、分母には分子に$x_2$を代入した値を持つ
#tex(l_2(x)=\frac{(x-x_1)(x-x_3)}{(x_2-x_1)(x_2-x_3)});
を用いる。
+同様にして、$l_3$も
#tex(l_3(x)=\frac{(x-x_1)(x-x_2)}{(x_3-x_1)(x_3-x_2)});
を用いる。
--これらの式は以下に示す性質を持つ。
#tex(\begin{eqnarray}&l_1(x_1)=1,& &l_1(x_2)=0,& &l_1(x_3)=0& \\ &l_2(x_1)=0,& &l_2(x_2)=1,& &l_2(x_3)=0& \\ &l_3(x_1)=0,& &l_3(x_2)=0,& &l_3(x_3)=1&\end{eqnarray})
--そして、この性質より、元の3点を通る2次式$P(x)$は
#tex(P(x)=y_1l_1(x)+y_2l_2(x)+y_3l_3(x));
で与えられる。
***ラグランジュの補間多項式 [#x7fa6dcb]
ここで定義した$l_1(x), l_2(x), l_3(x)$はラグランジュの補間多項式と呼ばれる。
***注意 [#c6d664e0]
-多くの点を一度に通るような多項式補間を行った場合は、点の途中に不自然な凹凸が現れ、かえって近似が悪くなることもある。
-一般に高次の多項式補間はあまり使われない。
-多くの点を結ぶ必要がある時は一度に全ての点を通るような式は用いず、いくつかの点の組に分けてそれぞれを結ぶ。
--例えば7個の点がある時は、中央の点で区切り、4個ずつの点に分ける(中央の点は2度数える).そして、3個の点を通る3次式で近似する。ただし、この様にした場合には中央の点で曲線が折れ曲がる(微分が不連続)こともある。
***3次スプライン補間 [#s05ce58b]
上記注意点を避けるための方法。
-隣同士の点を3次式で結んでいく。
--ただし、2点を通る3次式はいくらでも存在するから、各点において1回微分および2回微分が連続になるという条件を課して3次式を決めるという手続きをとる。
**最小2乗法 [#uc96c6bc]
-本来結んでいけば直線になるはずの点が離散的になってしまっている場合の補間方法。
-仮定された曲線とデータ間の誤差の2乗和が最小になるように曲線を定める方法を最小2乗法とよんでいる。
***原理 [#sc449410]
-全体の誤差を$e$、各点に置ける誤差を$e_1,e_2,e_n$としたときに、$a,b$の関数$y=ax+b+e$すなわち$e=y-ax-b$をそれぞれ$a$、$b$で偏微分して最小値を求め、関数の数(ここでは、$a$と$b$の二つの関数について偏微分した式数=2)だけある連立方程式を解いて、近似線の式を導き出す。
***式 [#we8919e4]
一般に、$n$この点$(x_1,y_1),(x_2,y_2),\cdots,(x_n,y_n)$が与えられたとき、$m$次式で近似する場合には、$m+1$元連立1次方程式
#tex(S_0a_0+S_1a_1+S_2a_2+\cdots +S_ma_m=T_0 \\ S_1a_0+S_2a_1+S_3a_2+\cdots+S_{m+1}a_m=T_1 \\ \vdots \\ S_ma_0+S_{m+1}a_1+S_{m+2}a_2+\cdots+S_{2m}a_m=T_m);
ただし、
#tex(\displaystyle S_j=\sum_{k=1}^{n}x_k^j, Tj=\sum_{k=1}^{n}y_kx_k^j);
を解いて$a_0$〜$a_m$を求め
#tex(y=a_0+a_1x+a_2x^2+\cdots+a_mx^m);
とすればよい。
***注意 [#l2b59304]
-$n$個の点が与えられた場合には$n-1$次式より小さい次数の多項式で近似する必要がある。
-多項式の次数はせいぜい5程度に止める
----
#comment
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#contents
*多項式補間(ラグランジュ補間) [#x558e42b]
-いくつかの座標を与えられ、それが3つなら2次式の係数、4点なら3次式の係数というように、多項式を用いて補間する方法。
-多項式補間では、$n+1$点が与えられた場合に、$n$次式を求めることになる。
**ラグランジュの補間多項式 [#gd2276ea]
***例 [#t5fa3748]
-3点$(x_1,y_1),(x_2,y_2),(x_3,y_3)$を通る2次式を求めることを考える。
+$x_1,x_2,x_3$で0になる3次式
#tex(L(x)=(x-x_1)(x-x_2)(x-x_3));
を考える。
+$l_1(x)$として、$L(x)$から$x-x_1$を除いた2次式が分子で、その分子の$x$に$x_1$を代入した値を分母に持つ
#tex(l_1(x)=\frac{(x-x_2)(x-x_3)}{(x_1-x_2)(x_1-x_3)});
という式を用いる。
+また、$l_2$として、分子に$L(x)$から$x-x_2$を除いた式、分母には分子に$x_2$を代入した値を持つ
#tex(l_2(x)=\frac{(x-x_1)(x-x_3)}{(x_2-x_1)(x_2-x_3)});
を用いる。
+同様にして、$l_3$も
#tex(l_3(x)=\frac{(x-x_1)(x-x_2)}{(x_3-x_1)(x_3-x_2)});
を用いる。
--これらの式は以下に示す性質を持つ。
#tex(\begin{eqnarray}&l_1(x_1)=1,& &l_1(x_2)=0,& &l_1(x_3)=0& \\ &l_2(x_1)=0,& &l_2(x_2)=1,& &l_2(x_3)=0& \\ &l_3(x_1)=0,& &l_3(x_2)=0,& &l_3(x_3)=1&\end{eqnarray})
--そして、この性質より、元の3点を通る2次式$P(x)$は
#tex(P(x)=y_1l_1(x)+y_2l_2(x)+y_3l_3(x));
で与えられる。
***ラグランジュの補間多項式 [#x7fa6dcb]
ここで定義した$l_1(x), l_2(x), l_3(x)$はラグランジュの補間多項式と呼ばれる。
***注意 [#c6d664e0]
-多くの点を一度に通るような多項式補間を行った場合は、点の途中に不自然な凹凸が現れ、かえって近似が悪くなることもある。
-一般に高次の多項式補間はあまり使われない。
-多くの点を結ぶ必要がある時は一度に全ての点を通るような式は用いず、いくつかの点の組に分けてそれぞれを結ぶ。
--例えば7個の点がある時は、中央の点で区切り、4個ずつの点に分ける(中央の点は2度数える).そして、3個の点を通る3次式で近似する。ただし、この様にした場合には中央の点で曲線が折れ曲がる(微分が不連続)こともある。
***3次スプライン補間 [#s05ce58b]
上記注意点を避けるための方法。
-隣同士の点を3次式で結んでいく。
--ただし、2点を通る3次式はいくらでも存在するから、各点において1回微分および2回微分が連続になるという条件を課して3次式を決めるという手続きをとる。
**最小2乗法 [#uc96c6bc]
-本来結んでいけば直線になるはずの点が離散的になってしまっている場合の補間方法。
-仮定された曲線とデータ間の誤差の2乗和が最小になるように曲線を定める方法を最小2乗法とよんでいる。
***原理 [#sc449410]
-全体の誤差を$e$、各点に置ける誤差を$e_1,e_2,e_n$としたときに、$a,b$の関数$y=ax+b+e$すなわち$e=y-ax-b$をそれぞれ$a$、$b$で偏微分して最小値を求め、関数の数(ここでは、$a$と$b$の二つの関数について偏微分した式数=2)だけある連立方程式を解いて、近似線の式を導き出す。
***式 [#we8919e4]
一般に、$n$この点$(x_1,y_1),(x_2,y_2),\cdots,(x_n,y_n)$が与えられたとき、$m$次式で近似する場合には、$m+1$元連立1次方程式
#tex(S_0a_0+S_1a_1+S_2a_2+\cdots +S_ma_m=T_0 \\ S_1a_0+S_2a_1+S_3a_2+\cdots+S_{m+1}a_m=T_1 \\ \vdots \\ S_ma_0+S_{m+1}a_1+S_{m+2}a_2+\cdots+S_{2m}a_m=T_m);
ただし、
#tex(\displaystyle S_j=\sum_{k=1}^{n}x_k^j, Tj=\sum_{k=1}^{n}y_kx_k^j);
を解いて$a_0$〜$a_m$を求め
#tex(y=a_0+a_1x+a_2x^2+\cdots+a_mx^m);
とすればよい。
***注意 [#l2b59304]
-$n$個の点が与えられた場合には$n-1$次式より小さい次数の多項式で近似する必要がある。
-多項式の次数はせいぜい5程度に止める
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